スピリッツ(Spirits) 蒸留酒のお話

いろいろなお酒のビンのラベルに「スピリッツ」と書かれています。スピリッツって何?



スピリッツ(Spirits)=蒸留酒とは

蒸留酒は、醸造酒を蒸留して作られたお酒のことです。
一般にアルコール度数が高いのが特徴で、世界各国に、その地域に応じたいろいろな蒸留酒があります。

蒸留酒に対する「醸造酒」とは、原料を酵母によりアルコール発酵させて作られたお酒のことです。
基本的にアルコール発酵させたままの状態で飲まれるもので、 一般に蒸留酒に比べアルコール度数は低いのが特徴です。これは、アルコール発酵を行う微生物が、自らが作り出したアルコールによって活動を阻害されてしまうからです。

 

醸造酒
・ワイン、ビール、日本酒、紹興酒(老酒=中国、台湾)、 農酒(マッカリ=韓国)等があります。

蒸留酒
・ 焼酎、泡盛、ジン、ウオッカ、ウイスキー、ラム、テキーラ、ブランデー等などがあります。

 

蒸留するとなんでアルコール度数が高くなる?

お酒の成分は、アルコールと水です。
アルコールの沸点(沸騰する=気化する温度)は、 約78.325℃。一方、水の沸点は約100℃です。
醸造酒を加熱すると、まずアルコールが蒸発します。この蒸気を集めて冷やし、液体に戻すと、元の酒よりもアルコール度数の高い酒を作り出すことが出来きます。この度数の高い酒が蒸留酒となります。

ジンやテキーラ、ウオッカなどはこれをそのまま飲みます。
また、焼酎、 泡盛、ブランデー、ウイスキー等は、樽や甕などでその後熟成させてから飲みます。

 

最高度の蒸留酒は?

市販されているお酒の最も度数の高いものは、スピリタス(Spirytus Rektyfikowany)。96度(%)です。
ポーランドを原産地とするウォッカで世界最強の酒として知られています。500ml入りビンで白地に緑の文字です。1本1300円くらい。

なんと、このお酒、病院などで使用される一般の消毒用エタノールよりも純度が高いため、緊急時には消毒薬としても使えます。
当然、お酒といってもしっかりアルコール分だけみたいなものなので、当然引火点が低く、非常によく燃えます。化学的性質は工業用エタノールとほぼ同じですから。従って、扱ったり飲む際は、喫煙を含め、火気厳禁です。口に入れて飲んだ直後、タバコの火が口から気化して出たアルコールに引火という事故も実際にあります。

このお酒、70回以上もの蒸留を繰り返すことで、96度(%)という高アルコール度数に仕上げられます。
主原料は、穀物とジャガイモ。
味は、少量口に含めても喉を通る前に気化してしまうためわかりづらいのですが、その段階で唇や舌にはピリピリとした痛みを感じます。
もっと多くを口に含み、飲み干すと、今度は喉にも同様な感覚があり、それを数回繰り返すと甘みを感じるようになります。そのくらい度数が強いということで、原料である穀物・ジャガイモの甘みを感じることは、そうできないわけです。

このくらい度数の高いお酒ですから、そのまま飲むというよりは、カクテルのベールに使ったり、原産国ポーランドでは家庭でチェリーなどの果実を漬け込んで果実酒を造るのにも使用されています。

お試しの際は、くれぐれもご注意ください。口の中、舌、喉が焼けないように。
当然ですが、くれぐれも飲みすぎには注意しましょう(これはビンにも書かれています)。

 

 

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