第3話 名前の由来と定義

 ピンポロ〜ン!こんにちは。ボク、「オルゴール」。

 今回は、ボクがどうやってオルゴールっていうのか教えてあげるね。あとね、ボクの仲間もちょっとだけ教えてあげる。

 「オルゴール」って別に変な名前じゃないけど、なんでこんな名前なんだろう。みんなも自分の名前がなんでそういう名前になったのかって一度くらいは聞いたことあるでしょ?

 普通は世界中、どこに行っても自分の名前は変わらないよね。でもボク、変なんだ。オルゴールって呼び方は日本でした通じないの・・・。西欧では「音楽の箱」というように呼ばれていて、英語では「Musical Box」とか「Music Box」って呼ばれてる。どこをどうもじってもオルゴールにはならないよね。

 はい!「オルゴール」という名はれっきとした日本語です。
 では、なぜ、そんな呼び方になったのでしょうかね。
 実は、最初に日本に来た時に、当時の人が間違ってしまったんだよ。

 江戸時代嘉永5年(1852年)にオランダ人がボクを日本に持ってきて、初めてみんなに聞かせたんだ。でもそのときにはすでにボクはオルゴールとかオルゴルと呼ばれていた。
 実は、それよりも300年前の安土桃山時代に 日本に手回しオルガンを持ってきたオランダ人がいた。それは、手でハンドルを回すと箱の中から勝手に音楽が流れてくる不思議な箱だったんだ。それを見て「これはなんというんだ?」と聞くとドイツ語でオルガンの意味である「オルゲル」と答えた。
 外国から来た音楽が流れる不思議な箱、それをすべてオレゲルと呼ぶようになってしまった。やがてそれが訛ってオルゴル、そしてオルゴールになったというわけ。
 やがてその構造を調べて、日本初のオルゴールを作ったという記録もあるよ。文久年間というから1861〜4年に小林伝四郎という時計職人が日本民謡を演奏するシリンダーオルゴールを作ったんだって。これはこれですごいね。

 

 実はここにもう一つの話題があるんだ。

 その頃の人は、ボクの構造や仕組みなんかを調べずにすべてオルゴールって呼んだんだけど、実はボクにも多くの親戚がいる。さっきの手回しオルガンもそうだし、自動で演奏するピアノや中には数種類の楽器が入った箱が自動で演奏するなんていうのもあるんだ。これらをまとめて自動演奏装置「Mechanical Musical Instruments」とか自動演奏楽器「Automatic Musical Instruments」というんだ。

 オルゴールの定義でいうと「オルゴールとは、手動または自動的に音楽を演奏する機械で櫛歯に似た特殊鋼製の発音体を回転胴に植えつけられているピンで弾き、自動的にメロディーを奏でるもの(日本オルゴール協会)」ということになってる。
 でも、広くはさっきの自動演奏装置として捉えられていることが多いんだ。だからボクもそういう親戚と一緒にオルゴールとして考えていこうと思うんだ。

 そんなわけで、ボクのことの最初の段階のご紹介が終了しました。

 次からは、いろいろな仲間や親戚を沢山紹介するね。

 じゃーね。ピロリ〜ン!

 

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